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たしか、フランス映画の「列車を待つ男」の打ち合わせで
渋谷にいるときに長友さんから電話が入った。
伊集院さんの野球小説が久しぶりに刊行される。
ついては井筒を装画に起用したいと言っているが。
というものだった。
伊集院さんといえば長友さんの装画と装丁と決まっている。
そこで長友さんとどんな方向で行こうか話をした。
その後担当編集者とも打ち合わせた。
長友さんのブログに日々@好日というのがあって。
そこに装丁について描かれた文章がまとめられている。
そこに長友さんと僕とでボタンの掛け違いがあった、
とあるのだが、僕を含め三人とも、伊集院さんの思いとは
別の方向で絵を考えていた。
僕は担当編集者に電話をし、伊集院さんの仕事場に
駆けつけることにした。そこはホテルなのだが、伊集院さんは
自分の部屋に通してくれた。
伊集院さん曰く「ここのロビーは業界の人間が多い。そんなところで
井筒にダメを出してるところなんか見せられない」
という優しさだ。
部屋で2時間ほど伊集院さんのこの本に対する意気込みと
カバーに持っていたイメージを聞いた。
主人公の性格なども詳しく聞かせてくれたのだ。
話しながら、スポーツ関係の編集者に電話をし、自分の言った
イメージに合う写真を手配している。
翌日段ボールいっぱいの写真資料が届いた。
何を描けばいいのか、どんなニュアンスを伝えればいいのか、
そしてそれを表現するために必要な資料が揃ったわけだ。
これで描けなかったらプロ失格だろう(笑
伊集院さんの投げたボールは確実に僕に届いた。
長友さんが見事にデザインしてくれた。
とてもいい経験が出来た。
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井筒啓之のブログ
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