

「KAPKAR/TO-RXD」は土手の地中に建てられた自然観測所で、コンクリート打設に樹皮の型枠を用いている。

このパビリオンにはスロープを通って入り、2つのベンチの設けられた空間に導かれる。

2つ目のスロープはさらに下って小さな囲われた空間へ続き、その空間に設けられたスリットから小川が眺められる。


それ以外特記のない写真はレネ・ド・ウィト(René de Wit)氏の撮影。
以下は建築家からの詳しい説明。
「KAPKAR/ TO-RXD」シント・ウーデンローデ、オランダ
ちょうどシント・ウーデンローデの西に位置する緩やかに起伏しているブラバントの田園風景の中にリジンゲンの村があります。ドメル川が太古の昔から砂地を浸食している地点にほど近いところに「KAPKAR/ TO-RXD」自然観測所が建っています。観測所は村の中心から始まり、村落周辺の農地へと続くハイキングコースの一部となっています。
「KAPKAR/ TO-RXD」観測所は小さなコンクリート構造で、そのほとんどが地中に埋設しています。遠くから見ると農家の小屋もしくは古い防空壕かと思うでしょう。それはまた凝固した像のように風景の中に立っているポキっと折れた空洞の樹木の風采すらもっています。しかしこの構造物に近づくと、それが人工物だということがわかります。しかしまだその機能は明らかではありません。それは巨大な2本の樹木の覆い被さるような枝の下で風景のアクセントとなっています。無意識にその不明確な構造物に惹き付けられるでしょう。本当に間近まで近づいてみないとその構造物が思っていたより大きいことがわからないと思います。

樹木のように、ドメル川の土手にそのかぎ型の構造体は立っており、2本の巨大なコンクリート杭で地中に固定されています。コンクリートの表層はとても粗い仕上げにしてあります。近くではこの構造はあまり高く見えません。入り口は側面に1つあります。内部のスロープを下りて行くと、視界も下がります。一般的な観測所ではパノラマの眺望を確保するために視界は通常上がるものです。しかしこの設計に関する私の意図は、手近に接近することの認識を提起することでした。来訪者にそこに育つ植物や生息する小動物のレベルで感じ取るような野原の景色を提供することを意図しています。実際少しどころか多くの自然を観察することができます。植物の成長の背後で建物はだんだんと見えなくなっていきます。
この構造体は2つのベンチを設けてあり、そこから静かに景色を吸収することができます。たくさんのガチョウ、そして白鳥やキジ、タゲリや猛禽類の鳥がいます。鹿は時々現れ、野うさぎはしょっちゅうものすごい速さで通りすぎて行きます。2つ目のスロープでさらに下って屋根の下まで行くと、ちょうど凹みに立ったようになります。ここで一時的に太陽や雨から身を守ることができます。構造体に設けられたスリットから眼下を速く流れる小川を眺めることができます。
コンクリートの表面は近隣の樹木のように粗野で荒々しく仕上げてあります。型枠が取り外された後にコンクリート表面に残った樹皮が特徴的です。これによってコンクリートの自然な外観を作り出しています。時間が経つにつれて、樹皮は腐朽していきます。しかし一度腐朽してしまえば、コンクリートは周囲のランドスケープと調和してそれ自身の緑青をゆっくりと作り出していくはずです。
「KAPKAR/ TO-RXD」自然観測所
シント・ウーデンローデ、オランダ
工期:2009年
使用開始:2010年8月より
構造:コンクリート、樹皮
寸法:7m x 4,25m x 3,12m
See also:
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