ワークショップには、6大学15名の学生と、富士通グループのデザイナー7名がアドバイザーとして参加。プロジェクトアドバイザーの村田智明氏による「行為のデザイン」のレクチャーで幕を開けた。「行為のデザイン」とは、ユーザの日常生活をつぶさに観察することで「常識の歪み(バグ)」を見つけ出し、それを解決する新たな常識を考え、プロダクトをデザインする手法だという。学生たちはそれぞれの日常生活の中から「バグ」を見つけ、解決案を考え、デザインを進めていった。
また、ワークショップの前段階で富士通のテクノロジーホールを見学するなど、富士通らしい技術の反映も目指した。CMFからスタートし、行為のデザイン手法を得て学生達は自由に発想を膨らませ、モックアップの作り方や展示の見せ方なども試行錯誤しながら制作していった。
合計4回のワークショップを終えると、学生たちの姿勢に変化が表れたという。「ワークショップ当初は、教えてもらうというスタンスだったが、展示会最終日の報告会は、学生たちの希望によりひとりずつが壇上でプレゼンするという積極性が生まれていた。自分から学ばないと前に進めないという経験や、来場者に自分の作品をプレゼンテーションする経験、苦労しても最後までやり通した経験は、これからの彼らのデザインにきっと役に立つはず」と富士通デザインの岡本氏は語る。
開催期間中は常にブースに人が押し寄せ、一番の盛況を博した富士通ブース。「行為のデザイン」をまとった15種類のデザインと、「Sensuous & Thoughtful」コンセプトに基づいて提案されたCMFデザインとが対峙して展示されていた。その様子は、参加した学生たちはもちろん、業務の合間を縫って参加したインハウスデザイナーたちにも、大きな経験と自信になったはずだ。「NEXT CMF」の本質はそこにあるのかもしれない。
写真上:ブース内観。学生15名の作品が展示されている
写真中:作品名「Talk」。「自分の心の中に生まれる“嬉しい気持ち”の瞬間を切り取りたい」といういう発想から生まれたカメラ。
写真下:作品名「YUBIBO」。パソコンの入力方法が携帯電話のインターフェース同様に なっており、指一本で操作できるようになっている。