1回目のワークショップは、この太陽電池を使い「未来の生活を豊かにするものを作ろう」という掛け声でスタートした。あらかじめ各大学にFWAVEを送付し、学生たちがアイデアを持ち寄り、プロジェクトデザイナー田中智之氏を中心にディスカッションを繰り広げる。同時に、同社の熊本工場から訪れたエンジニアがFWAVEの技術的な側面を学生に説明し、技術的な理解も並行して進めていく。最終的に学生たちから寄せられたアイデアを3つに絞り込み、それぞれ作品制作に取り組んでいく。
こうして誕生したのが、「エコカート」「コミュニティツリー」「ネオムシ」の3つのプロダクト。「エコカート」は、太陽電池を使うことで、冷暖房など赤ちゃんが快適に暮らせる環境を作り出す未来のカートだ。シートを外し、様々なカートとして利用することもイメージしている。「コミュニティツリー」は、太陽光発電により携帯の充電などができるコミュニティスペースのような役割のツリー型オブジェ。「ネオムシ」は、電池を必要とせず永遠に動き続けられるロボットである。これらのプロダクトから浮かんできたのが、太陽電池を活用した未来の公園の姿。このイメージを会場構成で表現しようと、会場全体を等高線のような地形でデザインした。 「制作に至るまでに紆余曲折があり、直前まで喧々諤々の討論をしていたが、全員の努力によりすばらしい作品が出来上がった。会期中、来場者に対して説明する学生たちが、自信を持って笑顔で対応している様子を見ると、ホッとするものがあった」(相澤氏)。
太陽電池を軸に一貫したコンセプトが、プロダクトデザインだけでなく空間デザインも含めた統一感を演出している。デザインにテクノロジーの裏付けを十分取り入れたという意味では、今回、最も難易度の高かった展示といえるだろう。
写真上:ブース全景。未来の公園をテーマとした展示構成となっている。
写真下:エコカート。展示作品ではベビーカーとして利用した場合を想定している。